2013年08月07日

早松茸入荷

本日築地でとても大きいサイズの
早採りの松茸を入荷しました。


夜の会席の風会席より「吸い物」などで特別に使用します。

別料金ですが焼松茸などでも最適な、大きさですので
お気軽に問い合わせください。

松茸と鮮魚2.JPG

松茸デカ.JPG

数に限りがありますのでどうぞお早めに!
タグ:松茸
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2012年10月24日

和可菜の女将さん

神楽坂の石畳にある象徴的な建物、本書き旅館の「和可菜」さん。
素晴らしい作品がこちらの旅館で生まれて、著名な文豪になっていくという、
出世旅館と言われています。
多分、女将さんと関わる方は皆さん出世なさるのでは? 葉歩花庭もあやかりたいものです。

女将さんとの出会いは、葉歩花庭が神楽坂に移転して少ししてから、
女将さんの甥っ子さんが最初にご来店して下さったのがきっかけでした。
それ以来、お世話になっています。

百合と女将さん.JPG ケーキ.JPG

この度、とてもありがたい話ですが、
先日の10月10日に、「和可菜」の女将さんの卒寿のお祝いが、葉歩花庭でありました。

素敵なご親族とスタッフさんに囲まれ、笑顔の女将さんは美しく、
「シャッターを切らずにはいられない」と、女房はお運びをやめ、カメラマンに徹してました。(おいおい)
そして、ご親族でもなく、スタッフさんでもない方が、お一人。
和可菜さんの大のお得意様であり、女将さんからご紹介を受けてから、すっかり、うちのお得意さまにもなって下さったM氏。
女将さんファンということで、意気投合。今回のお祝いのお席も、いろいろご企画くださいました。
M氏のバラとカサブランカの花束は圧巻。皆、釘付け。差し入れてくださったお赤飯は、この上なく美味で。

ご長寿の方の徳に触れ、こちらも幸せな気持ちになりました。

本当に光栄に思います。
これからも神楽坂の象徴の女将さんとして、神楽坂という街を見守っていただきたいです。

おめでとうございます。

和可菜4.JPG 和可菜女将さんと1.JPG 

一緒に写を撮っていただいてありがとうございます(少し緊張しました)。
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2012年09月25日

シェフの築地日記「番外編」

祭りの黒子

今年は、夏が長い。
9月も半ばなのに、暑苦しさからは開放されない。

葉歩花庭も、今年は暑い夏を経験した。

初参加の神楽坂まつり 。
毘沙門天前のポールポジションとはいかなかったものの、
まずまずの場所を確保できた。

メニューは、スタッフ皆で話し合い、
紆余曲折はあったものの、オーソドックスなに串焼きに決まった。
内容はいいものにしたいので、三元豚と天然の鮪を使うことに、
しかし、それだけでは、女性心は掴めない。
万願寺唐辛子などの、夏の京野菜を挟み込むことにした。
何回か試食をして、三元豚は味噌ソースで マグロは生姜醤油焼き。
「これ、うまい。」

1日目は軽く流して様子を見て と思いきや・・・
売れ行きがとてもいい、と言うか焼くのが間に合わない状態。
屋台で売り子をしている妹達から、催促の電話が鳴る鳴る。
かなり、焦ってる。

作業3.JPG作業1.JPG

こっちも焦る。必死で店で焼いて屋台に持っていくと、その場で売れてなくなってしまう。
そんなバタバタ戦の1日目が終わり。
結果的に、2日分と考えて仕込んだ串焼きが
1日で売れてしまった(皆さまありがとうございました)。

2日目は材料を追加し、築地に行き、早朝から「串焼き 葉歩花庭」の準備、
2日目は店の予約も満席状態。焦る。
1日目の二の舞を踏まない様に、スタッフ一丸となって、切る、挿す、焼くをくり返す。
店と屋台を何往復したかわからないくらい、みんな汗だくだった。

そんな熱すぎた祭りだったが、何かをやり遂げるのは気持ちいい。
皆が、いい顔をしていた。
こういう経験は必要だとつくづく思う。
神楽坂に移って約6年、
今回の祭りに参加することができて、やっと神楽坂の一員になれた気がした。

暑い中お越し下さった皆様、ありがとうございました。
また来年も参加させていただく予定ですので、
よろしくお願い致します。

シェフ

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2011年07月10日

東北を食す会報告

先日 7月5日1回目の「東北を食す」イベントを開催しました
沢山のお客様が、お越しいただき誠にありがとうございました。

改めて東北食材と地酒の美味しさを再認識し
心温まる楽しい会になりました。

それからまだ復興も、ままならない東北の漁港から
食材を提供して頂いた、いつもお世話になっている築地の
中卸の方に感謝いたします。

栄光水産 岡本さん.jpg堀富.JPG孝和 高橋さん.jpg

震災から約4カ月ですが、運よく思っていた以上の食材が
調達できました。

三陸鮑1.jpg石巻キンキ1.JPG

東北野菜1.JPG

献立は東北の食材を使って地元の料理名や、調理方やもおりこみ
構成しました。第一回東北食す会.docx

また2回目にはもう少し食材が増えて東北漁港の復興が進んで
いることを願っております。

次回は又ブログにてお知らせいたします。


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2011年04月06日

東北応援団

先日 近隣の和食料理店の方と、営業終了後に
今回の東北大震災後、僕たち飲食店に何が出来るかについて話し合いしました。

集まって下さったのは
「串焼 てっ平」「鮨処 響」「御料理 宮した」の店主の方。

津波で流された酒蔵さんのこと、酒の瓶が割れてしまったり
停電で酵母がだめになってしまったりと、
東京に知られていない小さな酒蔵さんも、数多く被害にあったと聞いています。
再建するためには時間と、とてつもない動力がいると思います。

東北酒2.jpg被災者の方への、支援金を送ったものの 
飲食店だからこそ、何か無いかと皆さん考えていました。

東北の食材を料理に取り入れたり
いつもお世話になっている東北のお酒をいつもより多く扱って
その売り上げの一部が支援金になって、そしてそれが、
少しでも東北の酒蔵さんの恩返しになると「東北の酒応援団」が結成されました。

東京が元気に普段通りになればと
それが神楽坂の小さな店から発信出来ればと、
そしてその輪が、少しでも広がってくれて復興に繋がればと願って
おります。

美味しい酒の肴を食し、東北のすばらしい酒を飲みにいらして下さい。

東北のお酒応援団ホームページ

「串焼てっ平」 http://r.gnavi.co.jp/a971001/
「鮨処 響」 http://r.gnavi.co.jp/g654200/
「御料理 宮した」 http://r.gnavi.co.jp/a033700/
「日本酒造組合」 http://www.japansake.or.jp/

被災地岩手から「お花見」のお願い【南部美人】



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2011年03月23日

がんばれ東北

日本全国民が東北のために何か出来ればと思う気持ちは同じだと思います。
ボランティア 救援物資 援助金 被災場所提供など少しずつですが整い始めているようです。

先日テレビの映像で、三陸の漁業組合の方々が再建にむかって一致団結している姿を拝見して
こちらの方が勇気を頂きました。
葉歩花庭でも今まで三陸の海産物を多く仕入させて頂いています。
これから地元漁業関係者の方は0からのスタートで、並大抵なことではないと思います。
そして店では東北のお酒も以前から多く取り扱っています。

こんな時だからこそ関東が元気を取り戻さなくてはいけないと思います。
被災している方に比べたら、私たちのストレスや辛さは小さなものかもしれません。
しかし関東が落ち込んでいたら東北の人たちも救済することもできません。
私たちレストランに出来ることは、美味しい食事をして、ゆったりと過ごして頂くという、ホスピタリティーを
提供すること…

葉歩花庭では東北の方と関東の方に少しでも何ができるかと話し合い、いつもお世話になっている
鹿浜にある「酒のかき沼」さんにお願いして、東北のお酒をいつもより多めに仕入させて頂きました。

また、計画停電の行われている方は、暗い部屋に帰って食事もままならないと思います。
少し早い時間から、葉歩花庭で暖を取って頂けるよう、午後5時から6時の間にお越しいただいたお客様に
計画停電応援メニューとして6400円の特別メニューをつくりました(4月末まで)

※お電話にて問い合わせください。

「葉歩花庭で旬のものを食し」そして「東北の酒を飲みましょう!」

DSC_0012.JPG是非ご利用ください。


酒のかき沼 http://www.kakinuma-tokyo.co.jp/

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2010年09月24日

幻の旨い肉


幻の尾崎牛


尾崎牛3.jpg


          今回からの「はな会席」
          は九州の幻のブランド牛
          尾崎牛をメニューに入れました

          肉質は柔らかく脂がジューシーで
          噛めば噛むほど旨みが出てきて
          飲み込むのがおしいくらいの
          旨い肉です

          関東では扱っている店は
          まだ少ないそうです

          尾崎さんが代々受け継いできた
          血統章付きの
          尾崎牧場で生まれた
          純正のお肉を葉歩花庭でお出しいたします。

          長く暑い夏も終わり
          食欲の秋です

          お酒は冷おろしで松茸を
          ワインもお肉に合うものを
          用意してお待ちしております。

          単品売りも致しますので是非
          召し上がりにお越しください。



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2009年10月30日

築地日記 VOL.6 松茸様

今年もまた、国産松茸が市場の八百屋にずらり。
色々な値段を付けてキノコの宝石箱のように木箱に入り、店頭に並べられ、料理屋の買い手を待っている。
だから葉歩花庭では国産松茸の事を「松茸様」と呼んでいる。
葉歩花庭 042.jpg国産ものは外国産とはやはり違う。
香りはもちろん水気がなく、しっかりとして持ちもいい
国産松茸は値段が時価なので、同じ程度のものが毎日値段が上下する。
何千円〜何万円まである。

葉歩花庭 043.jpgたとえばある日、形が良く土瓶蒸しに最適な岩手産を購入。
使いやすく手ごろなのはやはり値段もそれなりだ。
5日後に同じ程度のものが倍値になっていた!
「あの時買っといてよかった〜!」
今年は特に松茸の入荷が薄いようで、例年より高い様だ。

「高いな〜?!」
なんて時間をかけて考えていると、他の料理屋さんに持っていかれてしまう。決断力が必要だ。
だからこの時期の市場の八百屋は、僕にとってギャンブルに近い。
ついつい市場の帰りがこの季節は遅くなってしまう。

葉歩花庭 022b.jpg葉歩花庭のお客さんは美味しいものを沢山知っている方が
多いので、ちゃんとしたものを食べて頂く為に、
市場に足蹴に通って、食材を吟味する目を養っていこう! 
これも修行のひとつだ。

四季で変わる日本は食材の宝庫。
秋の味覚は料理屋にとって特別な時期だと思う。
最盛期の松茸様の味と香りを、ぜひ召し上がりにお越し頂きたい。

松茸が終わるとおせちのカラスミの用意。 神楽坂のグルメ猫に取られないように対策を練ろう。
そして今年もあと3カ月で終了。
1年は本当に早い。あともうひと踏ん張りだ がんばろう!

葉歩花庭 050.jpg葉歩花庭 048.jpg


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2009年06月30日

築地日記 vol.5

不景気のせいか最近の築地は人がまばらで買い物客が減っている様な気がする。
葉歩花庭も例外ではなく、日によって空いている席も多くなり厳しい現実を日々実感している。
そんな中、築地に行くと旬の物が店先や水槽に並び、毎朝買い手が来るのをじっと待っている。
そして今年も来ました「鮎解禁」
店先に太田川天然鮎が並び始め、同時に水槽に鱧が所狭しと泳いでいる。

葉歩花庭 276.jpg葉歩花庭 286.jpg

いつもお世話になっている栄興水産の岡本君に淡路産の中位のサイズの鱧を
無理言って特別に仕入れてもらっている。
最近の葉歩花庭の人気メニュー季節限定の鱧会席の主役だ。
するどい歯を持った鱧を僕の目の前で活〆してもらう。
身がピクピクしているうちに店に持ち帰り、すぐにさばいてお客様が
口にする前に骨切りをして (この作業をするとお客さんは実に楽しんでくれる)
葉歩花庭 282.jpgシャブシャブにしてもらう。
鱧は新鮮さが勝負だ。
鱧が水槽から出されて12時間後に料理になってお客様の口の中に運ばれていく。
この仕事が成り立っているのも築地があってのことだと思う。
市場の人には感謝感謝である。
おかげさまで鱧会席の注文は好調だ。

市場の皆様、これからもよろしくお願い致します。
そして皆様、どうぞこの季節しか食せない旬の味を召し上がりに葉歩花庭にお越しください。           

2009.7
タグ:築地 鮎解禁
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2009年03月04日

築地日記 番外編「僕の先生」

_06A8598.jpg葉歩花庭は、早稲田で開業して3年、神楽坂へ移りもうすぐ2年。
今まで沢山のお客様に応援して頂いて今年は5周年を迎えます。
この5年間の素晴らしい出会いに日々感謝しています。
店に足を運んで下さるお客様、店に関わって頂いている方々から
こんなにも沢山のことを教えて頂けるのは開業したからこその事。
いわばお客様は僕の先生なのです。だから店は毎日が勉強の場。

お客さんが席に着かれる。とても緊張する瞬間。
お客さんも緊張しているのでしょうか。
そんな時、何か気の利いた一言が言えたらといつも思うのだが…。
言葉のヘタな僕は料理に想いを込めるしかできないことが多い。
そんなだからいつもお客さんの方に自分がもてなされているようで頭が下がる思いだ。

様々なお席が葉歩花庭では繰り広げられる。
御両親を招待なさっている御夫婦…喜んでもらえますように。
そして自分も親孝行しなくてはと気付かされる。
お祝いの席の主役の方の晴れやかな横顔に僕も何か添えたくなる、
何かを成し遂げた人は皆いい顔をしている。
接待のお席では、帰り際に「今度は奥さんを連れてくるよ」と言って下さるお客さん、
嬉しい瞬間だ。
大切な人を連れて来たいと思って頂けるのは何より嬉しいし、男としてカッコいいなと思う。

調理人としては27年間修行してきたが、色々な店で酒をかたむけながらゆっくり食事をしたり
お世話になった人をもてなしたりということは、ようやくこの歳になってから始めたことなので、
お客さんの方がずっと店に慣れていて、店の楽しみ方を知っている。
酒と料理の相性や人のもてなし方、いい時間の過ごし方など全てお客さんから学ばせて頂いている。

_06A8492.jpg勤めていた時代は毎日お客さんの顔を伺うことができないくらい
奥の厨房で食材に向かっていた。
開業しなければ出逢えるはずもなかった様々な職業の方々と過ごせる時間。
僕の作った料理を召し上がる姿を目の当たりにできることは幸せなことだと思う。
またそれを経験したいという思いが開業の動機だった。
でもそれ以上のことをお客さんから頂いている。

早稲田時代からのお得意様で神楽坂に移転の際、葉歩花庭の良い面、悪い面を分析して、
直していく点、他店が盗めない部分を磨いていく事の大切さを教えて下さったYさん。
僕は葉歩花庭の父だと思っています。言いにくいことも言ってくれることに思いやりを感じている。

また苦しいときに「何曜日が暇なの〜?」と聞いて、
その曜日に毎回様々な方を連れていらして下さったMさん。
時には「儲けたい気あるの?」と言いながら、店を盛り上げて店に居ながらに宣伝して下さる。
Mさんが一言、ここのワインはこの値段なのにいかにすごいかを語ると、
他のお席からワインの注文が急に増え出す。
若くして成功なさっている方の人を惹きつけるエネルギーにはひたすら感心してしまう。
こんなに迫力のある人はなかなかいないし、いつも元気を頂けると共に、沢山のアイディアまで下さる
発想の素晴らしい方である。

そしてなぜそんなにも良くして下さるのかと思うほど、何度も足を運んで下さるSさん。
大のお得意様なのに一切お得意様風を吹かさない。いつも静かなユーモアを備えてにこやか。
僕もかみさんもSさんの厳しい表情を見たことがない。
今日は御機嫌が…と思ったことがない、表情からは何も察することができないので
ひたすら背筋が伸びる思いである。
いつもダンディな振る舞いに、すごい方ほど腰が低いのだということを目の当たりにする。
そんなお人柄に触れるたび、なかなかそうはできない僕の目標の方だと感じる。
そして僕はSさんが飽きることのないように献立を立て、新たな皿に挑む威力を頂いているのだ。

お客さんの顔を思い起こすと皆さん人柄の素晴らしい方ばかり、
ここに書ききれないほどのお手本となる方が沢山いらっしゃる。
皆先生ばかり、僕は生徒のように感じている。
沢山の思いやりを頂いているからこそ、料理だけを一生懸命していればいいわけではないと感じている。
人と人とのつながりこそが心を豊かにしてくれる。
そして心の豊かさがうまい味を作り出せることにつながると思う。
日々勉強、僕の修行が終わることはない。
先生方、これからもどうぞ御指導のほどよろしくお願い致します。
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2008年11月05日

築地日記 vol.3

9月が終わり10月の声を聞くとなぜかに胸騒ぎがする。後今年も二ヶ月…
と言うことは12月のクリスマス。 そして今年も恒例のあの行事
「おせちの仕込みが」少しずつ始まる。

葉歩花庭 052.jpgまず最初に手を付けるのは、「からすみ造り」
松茸が最盛期を迎える9月の下旬頃から、築地の店頭にボラ子(からすみの原型)が並び始める。6月の鮎とはまた違う重々しい値段。
勝手に触ろうもんなら店員の激が飛ぶ!
店頭に並んだからといっても早速購入とは行かない。
ボラ子は買うタイミングが非常に難しいのだ。
「品質」「値段」はもちろん カラスミにする為に一番重要なのは「天気」。
これがまさしく大切。雨はタブー 晴天でさらに冷たい空風が必要だ。
天気予報は毎朝チェックして河岸に向かう。
新鮮なうちに塩に漬けた後は、ひたすら冷たい風に当てて飴色になるまで天日干し。
飴色になるまで水気を飛ばし、程よい固さになったら出来上がりなのだが、干している途中に、
今年またあの大事件が起こった。
神楽坂に店を移してから2年目、早稲田と同様「カラスミ泥棒」 それも干している目の前で猫が!! 
スタッフが大騒ぎし、一命は取り止めたが、少しかじられていた。
早稲田の時はボラの卵に付いている身のほうを持っていかれたが、流石、神楽坂の猫はグルメなのか
葉歩花庭 065.jpgしっかり美味しい卵のほうをやられていた。
多分計画的犯行だと思う。その日は店の周りを何回もパトロール。
あの猫だ「首輪を付けた黒猫だ!あのやろ〜」といっても猫にカラスミの
値段は解らない…
普通な顔をして道に座ってこっちを見ていた。もどかしかった。
そんな色々な障害を乗り越え、今年も飴色で濃厚なカラスミが仕上がった。
今年のカラスミの仕込みは一段落。

後は12月のクリスマス過ぎの25日位から徐々に 黒豆 きんとん 伊達巻など、仕込むものはまだまだ
山積み。 美味く出来るか毎年心配だ。毎年恒例とは言ってもやはりおせち作りは緊張する。
30日から仕上げ始めて箱詰めして、31日お客様に手渡しするまで気が緩められない。
葉歩花庭のカウンターの目の前で、召し上がっているお客様の顔を拝見しながらの料理とはわけが違う。 葉歩花庭の料理で一年の始まりを家族で楽しんで頂くものなのだから絶対に手は抜けない。
一年は本当に早い。 今年の胸騒ぎも、あともう少しがんばろう。


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2008年06月30日

築地日記 vol.2

そろそろ梅雨も明け、夏の到来だ。
築地の場内の気温は場内と言っているわりには、外気温とまったく変わらない。
人が多いので外気より蒸し暑い。
活け物を扱っている店は、冬はウェットスーツみたいな物を着て仕事をしているが、夏はランニングにビニールの前掛けという格好。
鮎解禁の六月から食材も少しずつ旬のものが変わってくる。
築地に通っていると食材で季節を感じられる。走りから旬、名残りと、移ろいを見ながら足早になる。
鮎が木箱で何枚も陳列されている。
天然の鮎の上には「さわるな!!」 と力強く書いてある。それだけ貴重品ということだ。
葉歩花庭 691a.jpg四月まで鯛が寝かされていた場所は、スズキやカレイに変わっている。
水槽にはするどい歯をもったいかつい淡路産のハモが順番を待っている。
そして値段は毎日違う。天候、店によって、鮮度・質・値段は様々。
今日はお得意さんが入っている。天然の鮎を食べさせてあげたい。
信頼している店に怖々と値段を聞いてみると、半天然の鮎だったら六本買える値段だ。それだけ味と香りに差があり、心なしか顔つきも精悍である。「鱧も買うから安くなる?」と交渉。
築地に通い始めてから、鮪ならココと決めている店のオヤジが
「今日は素晴らしいのが入ったよ ハブちゃん!」 とニコニコしながら近づいてくる。
今日は鮎も買ったし鮪は予定にない。 が、脂ののりの具合がほど良く、赤身とトロのコントラストが鮮度を物語っている。いかにも素性の良さそうな生の本鮪だった。値段を耳元で聞くと…やっぱりね。
TS350026a.jpg生なのでもって四日、今日から二三日の予約を確認したら、予約で使いきれる量ではなかったので一回断った。
しかし鮪屋は「これを買ったら大丈夫!」と一言。これが妙に説得力がある。
今日のお客さんにも食べさせてあげたいし、やはり買うことにした。
それにしても今日は高い買い物をしすぎた、などと思いながら店へ戻る。
するとスタッフが「団体さんの予約が入りました」と嬉しい一声。
それからも不思議と予約が入り始め、すると二日後には鮪ははけていた。
気持ちのいい瞬間である。そんな所が以前にも数回あったので、やはり気は心というか、何か伝わっている様な気がして有難く思う。
これから真夏に入ると魚介も品薄になってくる。
その代わりに夏野菜が旬で7・8月は美味しい野菜が沢山出回る。
露地物の野菜はハウスに比べると色ツヤ、香りが全く違う。お楽しみに!




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2008年02月29日

築地4年目 vol.1

6:30起床。暖房にあたって身体を温める。 698.jpg
バイクに買い物籠を積んで完全防備で築地へ!
2月中旬のバイクは死ぬほど寒い(特に今年は)
寒いと言うより痛いと言ったほうが表現が正しいかも知れない。
大きなトラックが道のど真ん中に停車している。
その脇からノーヘルのバイク ターレーと言う市場専用カートが入れ替わり走ってくる。
そして1方通行逆走(最近は僕もその中の1人だが)そんなことにびびっている場合いではない。
ここは前にもお話したように場内は交通放棄の甘い外国みたいなところ。
遠慮していたらかえって危ないので強引にくぐり抜ける。
やっとこバイクの駐車場、籠を持っていざ出陣!

人が一人位しか通れないいつもの狭い通路に入ると、ツアーの外国人が大きい鮪の前で撮影会をしているのが、最近のお決まりの光景。 「エクス キューズ ミー」
たまに土曜日などは、築地では見られない綺麗な格好をしているおばさま達が、1尾の魚に群がって井戸端会議なども繰り開げられている。  「道をふさがないでー!」
本当に土曜日の築地は色々な人が思い思いのことをしている。

690.jpg人の波をくぐり抜けて「本日のお客様は今月2回目なので何を出してあげようかな?」 などと考えながら、いつもの信頼のある活け物の店に到着。
和食の要になる刺身、淡路の素晴しい鯛をゲット!
「もう少し安く!」 いつも値段は交渉。
鯛は桜鯛と言って3月になると最も美味しくなるので楽しみ。
そして何件か魚屋を回って八百屋に。
これからは筍と山菜が走りで美味しいかな!? よし3月のメニューはこれでいこう。

702.jpg色々な業者を1回りして1時間弱で買い物を済ませ、空だった2つの籠に食材をいっぱいにして小さいバイクの前後に乗せ店に向かう。

この様に板前になって23年だけど築地通いはまだ4年目の若造。
最初のころは高い食材を勧められたり、買う予定も無いものを買わされたりしていた(断れなかった方が近いかな)
最近では顔や名前はもちろん購入する業者も定まってきて、好みのサイズや質なども理解してもらっている。おかげで買い物の時間も短縮出来る様になって、少しは出世したかな?



タグ:築地
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