ブログにも登場する食材や植物などのイラストを描いているのは、葉歩花庭 女将の姉(現在金沢在住)で、「楽食旅紀行」の執筆者である私は彼女たちの従姉妹であり、ブログの記事更新などを行っています。
今回は、外郭から葉歩花庭をサポートしている我々「身内」のお話を中心に、葉歩花庭の魅力について書く事にしました。(多分に手前味噌的な箇所はご勘弁を)
彼女たちの実家は三代続く自営業で、私の母の実家でもあります。従って、祖父母のもと、幼い頃から姉妹のように交流を深めてきました。
今は亡き祖母は、大変ホスピタリティに溢れた人柄で、その昔「いらっしゃいませ〜」という明るく澄んだ声は、50mも離れた横丁の角まで響き渡ったと聞いています。
食べ物すべてに厳しかった祖母は、いつも火鉢に煮物の鍋をかけ、長い時間をかけて丁寧に料理をしていました。一粒のご飯もお茶碗に残す事を許さず、お箸の使い方など食事の作法を叩きこまれました。また、祖母も叔母も植物が大好きで、ベランダ(物干し場)には山野草から園芸種まで多種多様の緑で一年中溢れていました。剪定用のハサミを手に、花の咲く時期を楽しそうに語った祖母の姿を今も忘れません。
そんな環境で育った従姉妹が、料理人のご主人と出会って葉歩花庭のオーナーになったのは運命であり天職だったのかも知れません。
早稲田に開店したお店は彼女の人柄そのままに、木材にこだわった暖かく上品な店内には、ずっと続けてきたフラワーアレンジの才能がふんだんに発揮されていました。
羽深(はぶか)はシェフの本名ですが、葉歩花庭とは本当によく出来たネーミングだと感心しました。店名がお店のコンセプトをすべて表明しています。
自称食いしん坊で食べ歩きが大好きな私は、知人・友人を連れて行ける特別なお店が出来た、と大変嬉しく思いました。繊細でいて、奇をてらい過ぎない創作料理を丁寧に提供するシェフの一皿は、友人たちを十二分に満足させ、また祖母譲りの心のこもった女将の接客が、更に居心地をよくしてくれて、とても鼻が高かったものです。
女将の姉は開店準備の頃からポスター、チラシ等を作成しサポートしてきました。今では彼女のイラスト満載の会席メニューは、葉歩花庭の重要なアイテムとなっています。柔らかいタッチの画風は、お店の内装にも料理にもぴったりで、本格的な会席料理に加えて、どこか手作り感の残る暖かい雰囲気が、女将の活ける花々と共に葉歩花庭の魅力として定着していると考えます。彼女は美大を卒業後、服飾雑貨メーカーでデザイナーをしていて、一時期私たちは同居していた事がありました。
彼女の会社に商品開発を依頼し、私はクライアントとしてとても厳しい注文をつけた事もありました。
そして、「いつか一緒に仕事をしようね」と語り合っていたものです。
そんな従姉妹たちの頑張りに、私も何か手伝えないだろうか…と考えていたところ、神楽坂に移転の運びとなり、この機にホームページの開設はどうか? と提案してみました。
快諾を得て、現在のホームページとブログが制作されるのですが、知り合いの制作会社は実に丁寧に、お店の雰囲気を大切に、最新技術を駆使して望んだ以上のものに仕上げてくれました! 感謝感激!
立派過ぎるホームページに少し気遅れしたほどです。
それから忙しいシェフや女将に代わってブログの更新をサポートしています。
毎月、金沢からイラストの画像、シェフからの献立が届くのがとても楽しみで、それらを構築するだけの機械的な作業とは言え、お店のイメージを崩さず、アクセスして下さった方に少しでもお店に興味を持っていただけるよう、少ないweb知識ながら奮闘しています。
「ブログを見たお客様から予約や注文が入った」と聞くと、とても嬉しいですね。
自身も連載の執筆をしておりますが、それは箸やすめ程度のご愛敬ってことでご容赦を…(笑)
「身内」でありサポーターの私ですが、食いしん坊としては常に「お客」の立場で葉歩花庭 と向き合いたいと思っております。
身贔屓だけでは「食」は満足いたしませんもの!
料理店とお客、この構図だけは絶対に崩したくありません。
シェフには、いつも高いレベルの料理を供給して欲しいし、女将には素敵な生け花と接客で迎えて貰いたいと思っています。
そうして精進する事によって、来店されるお客さま皆さまに葉歩花庭のサポーターになっていただく…
それが、私たち「身内」サポーターズの願いであります。
最後に、お気に入りの葉歩花庭 定番の一品をご紹介します。
会席の凌ぎに出される月替わりの「燻し魚の寿司」
これが絶品なんです!
もともと凌ぎはほんの少し食すもので、「もっと食べたい!」という欲求が満たされる事が無いため執着するのかもしれませんが…
燻された魚の独特の風味は、バルサミコ酢をブレンドした醤油とマッチして、何とも無国籍で重厚な味わい…
特に、酢飯に薬味を混ぜた青魚系のお寿司が好きです。
偏食で青魚を食べるのを見た事がない友人でも、すんなり口に入れて「美味しい」と感激したほどです。
- 今月は「牡蠣の燻しにぎり寿司」 早く食べに行かなくちゃ!