2011年03月25日

花日記 番外編

この度の東日本大震災で、たくさんの方々の大切な命が一瞬にして
奪われてしまい、あまりにも惨い現状に、嘘であってほしいと胸が痛みます。
大切な方を亡くされたご遺族の方々へ、心よりお見舞い申し上げます。

被災された方々が、一日も早く安心できますように
そして離れ離れになっている大切な人と、早く繋がることができますように
祈る毎日です。

葉歩花庭の食卓を彩って頂いていた、三陸の漁業を支えていた方達が、
こんなにも大変な中でもひとつになり、一日も早く復興させるんだというお気持ちには、
胸がいっぱいになり、ただただ敬服致します。

黒文字1.jpgお世話になっております東北の酒蔵さんの丹精されたお酒も、これから更に種類を増やして
お客さまに紹介させて頂きたい気持ちでいます。

そして福島第一原発の最前線で、命をかけて作業をして下さっている方々、ご家族の皆様には、
画面から見守るしかできない私達は、手を合わせる思いです。
心より感謝を申し上げます。


東京で働く方々も、東北の皆さんと共に、この苦境を乗り越えるんだというお気持ちで
日々頑張っておられることが、お客様の生のお声で解ります。
地震から約一週間。皆さんそれぞれに厳しい中で仕事をされていました。
普段通りには行かない作業の対応に追われ、進めることの出来ない仕事。
でも被災者の方のことを考えたら、自分のストレスなんてと奥へ押し込み。
帰宅をすると停電のこともあります。
そのような中で、「あと一日頑張れば、葉歩花庭に行かれるという思いで来ました」と。
私達にとっても救いの言葉でした。震災が起きてから、相次ぐキャンセル。
でも仕方ない、痛手とは思ってはいけないと、そんな気持ちは掻き消すように、
床を磨き、カウンターを擦り、心を清めようとしていました。
お客さまは、「これでまた一週間頑張れるよ。こういう場所を持っている自分たちは幸せですよ」
とおっしゃって下さり。心がほどかれていく思いでした。

お客さまは更に、「皆がこのまま自粛していたら、経済の中心である東京が駄目になる。
このままでは二次災害が起こる。それでは東北を援助することが出来なくなってしまう。
僕たちは少しでも日常を取り戻す努力をしないといけない。
外食をしたり、好きな事をする息抜きを、不謹慎と思うのではなく、
そこから活力を得て、今の仕事を精一杯し現状を乗り越える。
お金を使い、世の中に回していき、東北を助けていくんだ。」と、
いつも静かで、穏やかなお客さまの力強いお言葉でした。

お話をして下さっている最中にも、トラブルの電話が鳴る中。
「これからもまた、仲間を連れて来ますから、飲食店も頑張って下さい。東北のお酒置いて下さい。」
と、お言葉を残されて帰られました。

お客さまを迎える時の私達の気持ちと、見送る時の気持ちは、
全く違うものになったことは言うまでもありません。

ご自分が大変な中でも、人に勇気を与えて下さる。
店を立ち上げてなければ、こんなにも色々な職業の方と出逢えることはなく、
こんなにも思いやりのある方が沢山いらっしゃることを知ることもなかったと思います。

これからも社会を支えている働く皆さんにとって、そしてそれを支えている皆さんにとって
ほっとして頂ける場所でありたいと願い、みずみずしい花を生け、
明日の活力になる、心を込めた料理をお届けすることに日々、精進していきます。

そして、葉歩花庭の大好きな空気感をもつ東北産の品々。
食材にも、工芸品にも、お酒にも、澄んだ水と涼しい風が感じられます。
確かな手仕事を持つ東北地方の復興を願いながら、
東北地方へ、飲食店だからこそ出来ることを考えていきたいです。

葉歩花庭の大切なお客さまであるKご夫妻さまに
この場をおかりして心よりお礼を申し上げます。

東北3 (2).jpg東北5.jpg

東北4.jpg

美しき東北の風景


posted by naoko at 01:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 花日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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