2009年11月22日

花日記8 花の人「江戸がたり」寿々方先生

葉歩花庭 019.jpg
    春は一雨ごとにあたたかくなり
    秋は一雨ごとに寒くなる

    雨風が多い晩秋だけど
    翌日には楽しみが待っている

    落ち葉の到来だ

    春の初々しい若葉とは対極にある美しさを持つ落ち葉
    それぞれの人生の足跡のような模様や色にしばし足止めされる
    そして私のポケットは、この季節どんどん膨らんでゆく

    葉歩花庭の床にふわりと撒けば一瞬で店内をあたたかく照らしてくれる
    冬のグレイッシュな風景の前の華やかな時

葉歩花庭 057a.jpgそんな楽しみな風景の中、昨年に続き葉歩花庭にて
寿々方先生の江戸がたりの公演が行われました。
寿々方先生は以前、舞踊家でいらっしゃいました。

六歳のころから、人間国宝の故花柳寿楽先生に師事し十六歳で名取りになられたそうです。
今は健康面から、やむを得ず舞踊家としての活動に終止符を打たれましたが、現在は寿々方先生の新しい道が開かれています。
今の世に希薄になっている感謝したり、感動したり、感激したりする心
思いやりや品格、真の情が描かれている江戸の物語。
葉歩花庭 058.jpgそれを、先生を透して読み演じる
「寿々方江戸がたり」 を築き上げられました。
先生のかたりを聞く度に心があたたかくなります。
本当に大切なこととは何かが伝わってきます。
そして描かれている江戸の女性に強い憧れを抱きます。
そしてその作品を手にしたくなります。
自分で読んでいても起こらなかった感情が、生きている空気がそこに存在します。
それは先生のお力です。

葉歩花庭 063.jpg江戸がたりには、先生が踊りの世界で培ってきた、私には計り知れないほどの思いが生かされているからなのでしょう。
そして今も尚、踊られていた時と同じ精神で江戸がたりを造り上げられているからだと思います。
何かひとつのことをやり続け、極めた方には、根本に揺らぎがないので、全てにおいてそれを継げることができるのだと感じます。

そしてもうひとつの楽しみが先生のお召し物。
今回はどんな着こなしを見せて頂けるのか・・・?と想像しながら先生を引き立てる花に頭を張り巡らせる。

公演中、客室に回り拝見させていただく私は、
「う〜ん紅葉の中にも,先生の隣に少し緑をさし色で加えればベストだったかな〜」
と考えながら見ていると、なんの・・なんの・・

二日目の公演には、お色直し。
松葉色の菊の花びらが一枚一枚散るように描かれた着物姿の先生。

葉歩花庭 068.jpgパーフエクト!!  流石です!

先生の美意識は、私の花さえも引き上げてくださる。
うれしい瞬間です。こういう思いがけない花に出逢えるのは本当に楽しい。
たくさんの感動を葉歩花庭に届けて下さり、光栄な一日でした。

芸術の秋をありがとうございます。

寿々方先生のHP http://www.edogatari.jp/


posted by naoko at 01:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 花日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック