9月が終わり10月の声を聞くとなぜかに胸騒ぎがする。後今年も二ヶ月…
と言うことは12月のクリスマス。 そして今年も恒例のあの行事
「おせちの仕込みが」少しずつ始まる。
まず最初に手を付けるのは、「からすみ造り」
松茸が最盛期を迎える9月の下旬頃から、築地の店頭にボラ子(からすみの原型)が並び始める。6月の鮎とはまた違う重々しい値段。
勝手に触ろうもんなら店員の激が飛ぶ!
店頭に並んだからといっても早速購入とは行かない。
ボラ子は買うタイミングが非常に難しいのだ。
「品質」「値段」はもちろん カラスミにする為に一番重要なのは「天気」。
これがまさしく大切。雨はタブー 晴天でさらに冷たい空風が必要だ。
天気予報は毎朝チェックして河岸に向かう。
新鮮なうちに塩に漬けた後は、ひたすら冷たい風に当てて飴色になるまで天日干し。
飴色になるまで水気を飛ばし、程よい固さになったら出来上がりなのだが、干している途中に、
今年またあの大事件が起こった。
神楽坂に店を移してから2年目、早稲田と同様「カラスミ泥棒」 それも干している目の前で猫が!!
スタッフが大騒ぎし、一命は取り止めたが、少しかじられていた。
早稲田の時はボラの卵に付いている身のほうを持っていかれたが、流石、神楽坂の猫はグルメなのか
しっかり美味しい卵のほうをやられていた。
多分計画的犯行だと思う。その日は店の周りを何回もパトロール。
あの猫だ「首輪を付けた黒猫だ!あのやろ〜」といっても猫にカラスミの
値段は解らない…
普通な顔をして道に座ってこっちを見ていた。もどかしかった。
そんな色々な障害を乗り越え、今年も飴色で濃厚なカラスミが仕上がった。
今年のカラスミの仕込みは一段落。
後は12月のクリスマス過ぎの25日位から徐々に 黒豆 きんとん 伊達巻など、仕込むものはまだまだ
山積み。 美味く出来るか毎年心配だ。毎年恒例とは言ってもやはりおせち作りは緊張する。
30日から仕上げ始めて箱詰めして、31日お客様に手渡しするまで気が緩められない。
葉歩花庭のカウンターの目の前で、召し上がっているお客様の顔を拝見しながらの料理とはわけが違う。 葉歩花庭の料理で一年の始まりを家族で楽しんで頂くものなのだから絶対に手は抜けない。
一年は本当に早い。 今年の胸騒ぎも、あともう少しがんばろう。
2008年11月05日
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イタリアに行ったときにも、ボッタルガを購入。
家に持ち帰って、ひとり、ガシガシ食べてしまいました。
葉歩花庭のカラスミは、おせちでしか味わえないのでしょうか・・・。
店のほうでも会席の中に取り入れています
もし良かったら単品でもお出しできます。
是非召し上がりに来てください。